赤毛組合 原題 The Red-headed League　(略はREDH) 初出 ストランド・マガジン　1891年8月 イラスト シドニー・パジェット(10枚） 邦訳・初出 「禿頭倶楽部」南陽外史訳 中央新聞　1899年(明治32）8月8日〜8月14日(不思議の探偵） 地名 サクス・コバーグ・スクエア ……………質屋 (ジェイベズ・ウィルソンの経営、最寄りの駅は地下鉄のオールダーズゲート駅） フリート街ポープス・コート7番地……………赤毛組合の事務所 キング・エドワード街17番地……………赤毛組合の事務所の移転先 事件内容 銀行強盗未遂　　　 主な登場人物 ジェイベズ・ウィルソン……………質屋の主人 ヴィンセント・スポールディング……………ウィルソン氏の質屋の怪しい店員 ダンカン・ロス……………赤毛組合の組合員。ウィルソン氏を面接した メリウェザー……………シティ・アンド・サバーブ銀行の頭取 ジョン・クレイ……………オックスフォード大学出身。祖父は公爵。殺人・窃盗・ 　　　　　　　　　　　　贋金作り・文書偽造犯 アーチー……………ジョン・クレイの相棒 警察官 ピーター・ジョーンズ警部 言及されている他の事件 緋色の研究 ジョン・クレーとの一二度の出会い (語られざる事件） あらすじ 秋のある日ワトスンがホームズを訪ねてみると、がっしりとした体格の赤毛の老紳士が居間にいました。この赤毛の紳士は名前をジェイベズ・ウィルソンといい小さな質屋を経営しています。従業員はヴィンセント・スポールディングだけです。ちょうど8週間前のこのスポールディングの熱心な勧めもあって「赤毛組合」なる組織の組合員になります。組合員の仕事は大英百科事典を10時から2時の4時間だけ書き写すだけで、報酬として週に4ポンドをもらえるものでした。ところが8週間後いつものように出勤してみると、ドアに一枚のボール紙がはってありました。 「赤毛組合は解散した　　1890年10月9日」・・・依頼の内容は32ポンドも使ってこの冗談のような出来事をした連中を何とかして探してほしいというものだったのです。 するとホームズはウィルソン氏になぜかスポールディングの人相を聞き、氏が帰った後そのまま考え込んでしまいました。おまけにその後ワトスンを誘ってコンサートへ行く道すがら、ウィルソン氏の店先で敷石をステッキで叩いたり、スポールディングに道聞きのふりをして近づき彼のズボンの膝を観察したりと、ワトスンには不可解と思える行動をします。その夜ワトスンはホームズに頼まれた軍用拳銃を懐に２２１ｂへ行ったところジョーンズ警部のほかになぜか銀行頭取のメリウェザー氏が・・・。そして4人が向かった先はメリウェザー氏が頭取を務める“シティ・アンド・サバーブ銀行の地下の大金庫。ランタンの明かりを消し暗闇で待つ4人がみたものは！？ 解説 ワトスンはまた又221bに遊びに来てこの事件に遭遇しています。病院は?と思う読者に配慮したのかワトスンは「病院は暇なんだ」と言い訳しています。（個人的には奥さんはいいのかい？と突っ込みたいところです（笑）） さてこの「赤毛組合」の募集が新聞に掲載されたのは1890年4月27日。ウィルソン氏が働いた期間は8週間（約２ヵ月）。ということは事件発生は6月の下旬?あれ？たしか解散したのは同年10月9日で、冒頭でも「秋のある日」とあるし?？？？ワトスンは数字が苦手なのか字が下手なのか、はたまた221bの時空がゆがんでいるのか（笑） あとホームズのお気に入りの武器として”重い狩猟用の鞭“が出てきます。ホームズは犯人を直接ボコボコにするのが好きだったらしく（笑）あまり拳銃を使いません。（ヘタクソという説もあり）女性のみならず拳銃に関してもワトスンの領域だったと過言ではないでしょう。