青いガーネット 原題 The Adventure of the Blue Carbuncle (略はBLUE) 初出 ストランド・マガジン　1892年1月 イラスト シドニー・パジェット(8枚） 邦訳・初出 「奇怪の鴨の胃」　南陽外史訳 中央新聞　1899年明治32年7月23日から30(不思議の探偵） 地名 トッテナム・コート通り(グッジ街の角）………ピータンソンが帽子と鵞鳥を拾ったところ ブリクストン通り117番地ー249………ジェイムズ・ライダーの姉が住んでいるところ(鵞鳥を飼育） (B・G注釈付きホームズ全集の注にこの通りとベイカー街は接していると記されてます） 事件内容 盗難 主な登場人物 ピータンソン………コミッショネア。クリスマスの早朝、帽子と鵞鳥を拾う ヘンリー・ベイカー………ピーターソンが拾った帽子と鵞鳥の持ち主 モーカー伯爵夫人………ホテル・コスモポリタンに滞在中、秘蔵の『青いガーネット』を盗まれる ジェイムズ・ライダー………ホテル・コスモポリタンの案内係主任 警察官 なし 言及されている他の事件 「ボヘミアの醜聞」「花婿失踪事件」「唇の曲がった男」 『青いガーネット』にまつわる事件として「殺人が二件、硫酸を浴びかけた事件が一件、自殺が一件、窃盗が数件起きていた」と記されてます。 その他 コヴェント・ガーデン市場 大英博物館 あらすじ 　クリスマスがすんで二日目の事、ホームズにお祝いをいいにワトスンは221bを訪れました。化粧着姿のホームズは一つのみすぼらし帽子を研究中でした。この帽子はコミッショネアのピーターソンが今朝拾ったものを一緒にあった鵞鳥と共に、持ち主を探して欲しいとホームズの所へ持ち込んだものでした。2人が帽子の持ち主を推測している所へ、腐るともったいないからとホームズに鵞鳥をもらったピーターソンが血相を変えて駆け込んできました。鵞鳥の餌袋からモーカー伯爵夫人所有の盗まれた『青いガーネット』（発見者に賞金・一千ポンド）が出てきたのです。早速２人は「青いガーネット」が伯爵夫人の元から221bに来た過程の調査を開始します。まず帽子の持ち主のヘンリー・ベイカー氏を新聞広告で探し当てましたが、わかったのは鵞鳥の入手先の居酒屋だけでした。その居酒屋へ行って卸問屋を教えてもらいすぐに向いましたが、同じ事を聞いた人物がいたらしく、苛立っていた卸問屋の主人は中々仕入先を教えてくれません。 　しかし機転をきかしたホームズはうまく仕入先を聞きだすことが出来ました。今度はその仕入先へ訪ねようとした時、市場で先ほどの卸問屋の主人に怒鳴られている小男を発見しました。どうやらホームズと同じ事を聞いているようです。ホームズは彼、ジェイムズ・ライダーをこの事件の鍵を握る人物を考え221bに招き入れました。ホームズはライダーから何を、そして彼をどうするつもりなのでしょうか？ 解説 ワトスンはこの日、ホームズに『お祝い』だけをいいに221bに来た筈です。いったん患者の所へ往診に行っていますが、家に戻らずホームズと一緒に「青いガーネット」の捜査に向ってしまいました。しかも夕食（ハドスン夫人特製『山鴨（やましぎ）』の料理までご馳走になっています。ドクター･･･奥さんの事は･･･？（笑） それからホームズ！ピーターソンから預かった『青いガーネット』をどうしたんだ！ちゃんと返したのか？（賞金は“発見者”のピーターソンのものですよね？）それとも隠居の資金源･･･。