踊る人形 原題 The Adventure of the Dancing Men　(略はDANC) 初出 Collier's Weekly　Magazine 1903　12/5(米国） ストランド・マガジン　1903年12月(英国） イラスト シドニー・パジェット(7枚）ストランド・マガジン 邦訳・初出 「象形文字」(某探偵次長）　生活　1917年1月 地名 ノーフォーク州リドリング・ソープ・マナー 依頼人ヒルトン・キュービットの自宅 事件内容 脅迫・殺人 主な登場人物 ヒルトン･キュービット…… 依頼人、リドリング･ソープ・マナーの主 エルシー･キュービット……ヒルトン･キュービット氏の妻、米国人女性 エイブ･スレイニー……米国人、｢シカゴでもっとも危険な悪漢｣ 警察官 マーティン警部 言及されている他の事件 なし あらすじ 　ノーフォークの名家の当主・ヒルトン・キュービット氏は最近妙な事に悩まされていました。 　1週間ほど前から屋敷内にチョークで小さな人形が踊っている落書きが現われるようになったのです。最初は子供のいたずらだと思っていたのですが、妻のエルシーはとても気にかけ怖れているようでした。 　ヒルトン・キュービット氏とエルシーは1年前に結婚をしました・・・自分の過去は問わないでほしいというエルシーの条件付きで。彼はこの落書きが彼女の明かさない過去に関係していると睨んでいるのですが、約束の事もあり聞き出せず、ホームズに相談をしにきたのでした。 　キュービット氏が帰るとホームズは数日間ずっと氏が書きとめてきた落書きを熱心に眺めていました。2週間後、落書きに怯え衰弱していく妻を見かねて、キュービット氏が再び新たな落書きを携えてやってきました。 　ホームズは新しい材料が増えたと喜びさらに研究を続け、ついにこの落書き・・・暗号を解明したようでした。そして数日後キュービット氏から電報が届きました。今朝日時計の台石に長い書き込みが現われた以外は，万事平穏であると･･･しかしその暗号をしばらく眺めていたホームズは驚愕と困惑の叫び声とともにすくっと立ち上がりました「どうもこの事件は長くほうっておきすぎたようだ」 　翌朝一番の汽車でリドリング･ソープ・マナーへホームズとワトスンは向かいましたが、ときすでに遅くキュービット氏はピストルで撃たれて死亡。妻のエルシーも自分で頭を打ち抜いて自殺を図り重体となっていたのでした。一体この『踊る人形』はキュービット氏にどのような経緯で悲劇をもたらしたのでしょうか？ 解説 　冒頭でワトスンはビリヤード仲間のサーストンに薦められていた南アフリカの株の購入を見合わせたことをホームズに言い当てられます。なぜワトスンが購入を諦めたのか判明した理由をホームズは「君の小切手帳は僕の引出しの中にあって錠がかかっているのに、君は鍵をよこせといわない」なぜ小切手帳をホームズが管理しているのでしょうか？　 　ワトスン見境なく借金をする→221ｂまで借金取りが来る→ホームズ立て替え→怒ったホームズ。小切手帳を差押....ヴィクトリア朝版「ナニワの金融道」？？？