プライアリイ・スクール 原題 The Adventure of the Priory School　(略はPRIO) 初出 ストランド・マガジン　1904年2月 イラスト シドニー・パジェット(9枚） 邦訳・初出 修道院学校事件 石川陸郎訳 1925年(大正14年12月)　万国怪奇探偵叢書14　ホルムスの再生　紅玉堂書店　 　 地名 北イングランドのマックルトン (プライアリイ・スクール） ハラムシャー州ホルダーネス・ホール (ホールダネス公爵の屋敷） 事件内容 誘拐・殺人・犯人隠匿 主な登場人物 ソーニークロフト・ハックスタブル………依頼人、プライアリイ・スクール校長。文学博士・哲学博士 ソルタイア卿………ホールダネス公爵の息子。唯一の後継者(名前はアーサー) ホルダーネス公爵………ソルタイア卿の父。前閣僚 ジェイムズ・ワイルダー………ホールダネス公爵の秘書 ハイデッガー………プライアリイ・スクールのドイツ語教師 ルービン・ヘイズ………｢闘鶏亭｣の主人 警察官 なし 言及されている他の事件 ・アガヴェニー殺人事件(語られざる事件） ・フェラーズ文書事件(語られざる事件) 「黒衣の天使の事件」(ハヤカワ・ポケット・ミステリー　アドリアン・コナン・ドイル著 「ホームズの功績」に収録)　 「フェラーズ文書事件」 (創元推理文庫　ジューン・トムソン著　「シャーロック・ホームズのドキュメント」に収録) その他 ストランド・マガジンに載ったワトスン直筆の地図 あらすじ 深刻な問題を抱え込み食事もそっちのけでホームズとワトスンの元を訪れたハックスタブル校長。 空腹と疲困憊で221bに来たなり倒れてしまいます。その苦悩の原因はこの夏学期より入学してき たホルダーネス公爵の一粒種であるソルタイア卿が行方不明になったことにありました。 ソルタイア卿が消えたのは3日前の夜のこと。翌朝少年の不在を知った校長があわてて全校に点呼 をかけたところ、ドイツ人教師ハイデッガーの姿も消え自転車が１台なくなっていることも分かり ました。最初は別居してフランスにいる母親に会いに行ったのかと思われたのですがそうではない ようです。早速ホームズとワトスンは現地で調査を開始します。2人の部屋を調べると少年はあら かじめ着替えて壁に這う蔦を使って部屋を抜け出し、それを見たハイデッガーがあわてて追跡した らしいことが分かりました。翌朝は近所の湿地帯へ向かいますが、そこで発見したものはハイデッ ガーの無残に変わりはてた姿でした･･･。 果たしてソルタイア卿はどこへ消えたのでしょうか？挙動不審の闘鶏亭の主人、いるはずのない牛 の足跡、暗躍する公爵の秘書。 そして闘鶏亭の馬の古い蹄鉄に新しく打たれた釘は何を意味するのでしょうか？ 解説 このお話の一番の注目点は普段お金に執着しないホームズが、報酬に関して繰り返しホルダーネス 公爵に言及していることでしょう。そして2人合せて1万2千ポンドの報酬を得ることになります。 (皆さんホームズにタカルなら今です！(笑)) さて今回の事件でワトスンはホームズのせいでかなり睡眠不足に陥っています。 第１夜・夜11時過ぎホームズはいきなりワトスンの部屋にきて、ベッドの上に地図を広げ事件現 場の研究開始。(何故自分の部屋でやらない(笑)) 終わると“明日は早く起こすからね〜”。 第２夜･昼間散々荒野を歩き回って疲れているはずのワトスンの部屋に夜遅く訪れ“明日の晩ま で、事件は解決しているよ！”と宣言。(次の日の朝言ったっていいじゃないか･･･ホームズ)