シャーロック・ホームズ物語の「語られざる事件(アントールド ストーリーズ)」一覧表
公開年月日：2019年11月6日(発表順、題名および本文は主に『東京図書版(ちくま文庫)』より 作成：関矢悦子)
| 公開された事件 | 語られざる事件(アントールド ストーリーズ) | |
| １ | 緋色の研究 | 以下六件はホームズとワトスンの同居から《緋色の研究》の間の事件 ・偽札事件(レストレード警部がホームズに相談した事件) (以下は民間の興信所から紹介されてきた人たちでホームズは居間を事務所がわりに使用) ・流行の服を着た若い女 ・ユダヤ人の行商人 ・だらしのない中年女 ・白髪の老紳士 ・鉄道の赤帽(ポーター) |
| ２ | 四つの署名 | (《四つの署名》事件発生日に礼状がきた) ・フランスのヴィラール探偵から相談された遺言状事件 (女は幼児を保険金目当てに毒殺、ホームズが解決したかは不明） ・ホームズが知っていた一番魅力的な女の事件 ・ビショップゲートの宝石事件 (フォレスター夫人は依頼人であるメアリー・モースタンの雇い主) ・セシル・フォレスター夫人(家庭内のもめごと)事件 |
| ３ | ボヘミアの醜聞 | (以下の二件は「女は自分の家が火事になったと知ると本能的に一番大切なもののところに飛んでいく」のでその習性を利用して解決に至った事件) ・ダーリントンのすり替え事件 ・アーンズワース城事件 (以下三件はワトスンが結婚のためにホームズから遠ざかっていた時の事件) ・トレポフ殺人事件でオデッサへの招聘 ・トレコンマリーのアトキンソン兄弟への奇怪な惨劇 ・オランダ王室の慎重を要する事件 |
| ４ | 赤毛組合 | ・(《赤毛組合》の犯人)ジョン・クレイとの一二度の出会い |
５ |
花婿失踪事件 |
(依頼人のミス・サザーランドはミセス・エサリッジに紹介されて来た) ・エサリッジ氏の失踪 ・ダンダス家の別居事件(理由は夫が食事の後に入れ歯を妻に放り出すため) (下記の事件はホームズが《花婿失踪事件発生日に手がけていた事件） ・この頃ホームズは１０〜１２の事件を手がけていたが、一つはマルセイユから依頼されたやや込み入った事件 |
| ６ | ボスコム谷の謎 | |
| 7 | 五つのオレンジの種 | (依頼人のオープンショー青年は下記の事件でホームズに助けられたプレンダーガスト少佐の紹介) |
| ８ | 唇の曲がった男 | |
| ９ | 青いガーネット | |
| １０ | まだらの紐 | (依頼人のヘレン・ストーナーはファリントッシュ夫人に紹介された。この事件はホームズがワトスンと出会う前の事件) |
| １１ | 技師の親指 | ・ウォーバートン大佐の狂気の事件 (この時までにワトスンがホームズに持ち込んだ事件は上記と《技師の親指》だけ) |
| １２ | 独身貴族 | (依頼人のサイモン卿はバックウォーター卿から紹介された) ・バックウォーター卿のための事件 ・スカンジナヴィア国王のための微妙な事件 (下記の事件は《独身貴族》発生日直前に解決) ・グロヴナー・スクウェアの家具運搬車の事件 (以下二通はサイモン卿からの依頼手紙と同時に届いている。) ・魚屋からの手紙 ・税関の監視官(タイド・ウエイター)からの手紙 |
| １３ | 緑柱石の宝冠 | |
| １４ | ぶな屋敷 | |
| １５ | シルヴァー・ブレイズ | |
| １６ | ボール箱事件 | ・ニセ洗濯屋事件 |
| １７ | 黄色い顔 | ・「第二しみ」 (この「第二のしみ」について、《黄色の顔》の真相解明と同じく、ホームズが間違ったにも関わらず真相が明らかになった事件の一つ、とワトスンは記している) |
| １８ | 株式仲買人 | |
| １９ | グロリア・スコット号 | |
| ２０ | マスグレイヴ家の儀式 | この事件はホームズのプロとしての三番目の事件 (以下の五つの事件はワトスンと知り合う前、ホームズがもっとも初期に関わった事件。ホームズの大きなブリキの箱に書類が保管されている) ・タールトン殺人事件 ・ワイン商ヴァンベリー事件 ・ロシア人老婦人の事件 ・アルミニウムの松葉杖事件 ・蟹足リコレッティと憎むべき妻の事件 |
| ２１ | ライゲイトの地主 | ホームズは ・オランダ領スマトラの事件 と ・モーペルテュイ男爵の陰謀事件 の捜査で身体を壊したのでライゲイトに静養に行った ・「オランダ領スマトラ会社に関わる モーペルテュイ男爵の陰謀事件」とする翻訳もある |
| ２２ | 曲がった男 | |
| ２３ | 入院患者 | |
| ２４ | ギリシア語通訳 | (この事件直前に解決した) |
| ２５ | 海軍条約 | (下記の事件と「第二のしみ」はワトスンの結婚直後の7月に発生した、とワトスンは記している) ・疲れたキャプテン (《海軍条約》事件が発生した日に解決した) ・ありふれたつまらない殺人事件 |
| ２６ | 最後の事件 | (《最後の事件》の直前に解決した) ・フランス政府から依頼のあった極めて重要な事件 ・スカンジナヴィア王家の仕事 ホームズは《最後の事件》の前にスカンジナヴィア王家の他にいくつかの国からの依頼された事件を解決しているので悠々自適の生活ができるようになっていた。 また、ここまでに千以上の事件を手がけてきたが、悪事に加担したことはない、と述べている。 |
| ２７ | バスカヴィル家の犬 | ・メッセンジャー会社の支配人ウィルソンの事件(無実を証明した) |
| ２８ | 空き家の冒険 | (以下の三人はホームズの人名録Mの頁にある名前) |
| ２９ | ノーウッドの建築業者 | (以下二件はホームズ帰還後一緒に暮らし始めてから数ヶ月に起きた事件) ・中米サン・ペドロ共和国前大統領ムリリョの書類事件 ・オランダ汽船フリースランド号の恐ろしい事件(ホームズとワトスンが危うく命を落としかけた) ・バード・スティーヴンズによる凶悪な殺人事件(１８８７年、ホームズに無実を訴えてきたスティーヴンズはおとなしそうな男だったが、実は凶悪犯人だった) |
| ３０ | 踊る人形 | |
| ３１ | 一人きりの自転車乗り | ・煙草王ジョン・ヴィンセント・ハーディンの奇妙な迫害(ミス・スミスから事件の依頼を受けた時にホームズが調査していた難解な事件) ・贋金づくりのアーチー・スタンフォード(逮捕した場所がサリー州) ・１８９４年から１９０１年までホームズは公表された事件以外の私的な事件も何百も解決し、多くの輝かしい成功と二、三のやむ得ない失敗もあった |
| ３２ | プライアリ・スクール | ・(公判がまじかに迫った)アヴァゲブニー殺人事件 ・(調査中の)フェラーズ文書事件 |
| ３３ | ブラック・ピーター |
・トスカ枢機卿の急死事件(ローマ法王から直々の依頼) ・悪名高きカナリア調教師ウィルソンの逮捕(イーストエンドにある悪の巣窟を一つ取り除いた。トスカ枢機卿事件からウィルソンの逮捕までは想像を絶する奇怪な事件が続いた) |
| ３４ | チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン |
・この事件までにホームズは５０人ほどの人殺しと渡り合ったことがある |
| ３５ | 六つのナポレオン | ・アバーネティ家の恐ろしい事件(ホームズが暑い日にパセリがバターの中に沈んでいった深さに気が付いたことで解決した) ・ボルジアの黒真珠事件(相談を受けたが解決できなかった) ・ノルウェーへの出張(事件解決すぐ後に出発) |
| ３６ | 三人の学生 | ・初期イギリスの勅許状に関する骨の折れる研究(ホームズの趣味の可能性もあり) |
| ３７ | 金縁の鼻眼鏡 | ・いまわしい赤蛭と銀行家クロスビーの惨死事件 ・アドルトンの悲劇 ・古代英国の塚から発掘された奇怪な品々にまつわる事件 ・スミス・モーティマーの相続事件 ・ブールヴァアールの暗殺者ユレの追跡逮捕(この功績によりフランス大統領から自筆の感謝状とレジオン・ドヌール勲章を贈られた) |
| ３８ | スリークォーターの失踪 | (ホームズの備忘録に載っている「ストートン」) ・頭角を現してきた偽造屋、アーサー・H・ストートン ・(縛り首にするのにホームズが手を貸した)ヘンリー・ストートン |
| ３９ | アベイ屋敷 | ・これまでホームズはホプキンズ警部に呼ばれた事件は七回あった |
| ４０ | 第二のしみ | (鼻の頭に白粉が付いていなかったということが事件解決の決め手になった) |
| ４１ | ウィステリア荘 | ・カラザーズ大佐の逮捕(ホームズはカラザーズを逮捕してから依頼がなく退屈していた) |
| ４２ | ブルース・パーティントン型設計書 | ホームズの命を狙う人間は五十人ほどいるが、霧の濃い今日のような日に命を狙っている中の「ブルックスやウッドハウス」が暗殺者になったら逃れられないだろう、とホームズは言っているがこれらの犯罪者の事件名は不明。 |
| ４３ | 悪魔の足 | ・ムーアー・エイガー博士との劇的な出会い |
| ４４ | 赤い輪 | ・(前年に発生した)ウォレン夫人の下宿人だったフェアデール・ホッブスが依頼した簡単な事件 |
| ４５ | レディ・フランセス・カーファックスの失踪 | ・(当時調査中で忙しかった事件)エイブラハム老人の生きるか死ぬかの事件 |
| ４６ | 瀕死の探偵 | ・ヴィクター・サヴェッジが死んだ事件 |
| ４７ | 恐怖の谷 | ・ホームズがマクドナルド警部を助けた二つの事件(事件名は不明) |
| ４８ | 最後の挨拶 | ・フォン・ウント・ツー・グラーフェシュタイン伯爵事件 |
| ４９ | マザリンの宝石 | ・(絞首刑になった)老男爵ダウソンの事件 |
| ５０ | ソア橋事件 | (ワトスンがチャリング・クロスにあるコックス銀行に預けている「ブリキの文書箱」に入っている書類のなかで結末のない未解決の三件の事件。このブリキの文書箱にはホームズが長年手がけた事件の記録文書が数多く保管されている) ・(傘を取りに家に戻ったきり忽然と姿を消した)ジェイムズ・フィリモア氏の事件 ・(ある春の朝、霧の中へ航行していったまま行方不明になった)小型帆船アリシア号の事件 ・決闘好きのジャーナリスト、イザドラ・ペルサーノの発狂事件(ペルサーノの前には現代の科学では知られていない謎の虫が入っているマッチ箱があった） |
| ５１ | 這う男 | |
| ５２ | サセックスの吸血鬼 | ・マティルダ・ブリックス号事件とスマトラの大ネズミ(ワトスンの知らない事件） |
| ５３ | 三人ガリデブ | ・いずれ書くこともあるだろう件(ホームズがナイトの位を辞退する出来事) |
| ５４ | 有名な依頼人 | ・バイオリンの名手チャーリー・ピースの事件 |
| ５５ | スリー・ゲイブルズ | ・パーキンス青年殺人事件 ・モーティマー・メイバリーの些細な事件 |
| ５６ | 白面の兵士 | ・(この時に調査中の)トルコ皇帝から依頼された事件 ・ホームズは(皮膚科の権威)サー・ジェイムズ・ソーンダースの手助けをしたことがある。 |
| ５７ | ライオンのたてがみ | |
| ５８ | 退職した絵具屋 | ・(この頃調査中の)二人のコプト長老事件 |
| ５９ | 覆面の下宿人 | ・アッバス・パルバ事件(過去にホームズが興味を持った事件、内容は語られている) ・政治家と灯台と調教された鵜にまつわる一件 |
| ６０ | ショスコム・オールド・プレイス | ・贋金つくりの男を追い詰めた事件 ・(この事件の発生日に解決した警官殺人事件の)セント・パンクラス事件 |
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