ロンドン・シャーロック・ホームズ協会の晩餐会　 　2003年1月18日 　1月18日（土）に催された、ロンドン・シャーロック・ホームズ協会の晩餐会に出席しましたので、ご報告させていただきます。 　今年も国会議事堂下院の晩餐広間で開かれました。午後６時半から飲み物がふるまわれ、１年ぶりに顔を合わせる人がほとんどなので晩餐会を前に挨拶していると、俳優のイアン・リチャードソン氏が談笑しているのが目にとまりました。リチャードソン氏は、昨年春東京で上映会をしたＢＢＣ制作のドラマ「マーダー・ルームズ」でジョゼフ・ベル博士を演じられ、映画「バスカヴィル家の犬」ではホームズを演じたこともあります。とても気さくな方で、サインをいただいて、お礼を述べると、日本語で「ドーイタシマシテ！」と返されたのには思わず微笑んでしまいました。再来年から開かれるエジンバラ大学医学部５００周年記念イベントに、ベル博士として参加していただきたいとお誘いしました。(*) 　７時半から晩餐会が始まりました。私の席は正面右手のテーブルでホームズ・コレクションの司書キャサリン・クック女史の隣でした。同じテーブルには日本シェークスピア・カンパニー主宰、東北学院大学の下館和巳教授がいらっしゃいました。１年間ケンブリッジに赴任されておられ、２６年前に留学されたときからロンドン協会の会員でいらっしゃるそうです。食事は、前菜がスモークトサーモン、メインがローストビーフ、デザートがチョコタルト。１０時近くに食事も終わり、コーヒーが出されると、まずは女王陛下に乾杯してピーター・ホロックス会長が昨年の活動報告。続いてゲストであるロイ・メドウ教授がスピーチをされました。メドウ教授は小児科と心理学がご専門で、「代理ミュンヒハウゼン症候群」研究の先駆者として知られており、ホームズと児童心理について演説されました。 　ホームズ先生とワトソン博士に乾杯した後、前会長のフィリップ・ポーター氏が、１９８７年、８８年、９１年のスイスへのツアーでホームズに扮した思い出、裏話を語って会場を笑わせていました。こうして夜も更け、翌朝にはブランチの集いがあるため、晩餐会はお開きとなりました。 (*) ２００５年７月から翌年１０月まで、エジンバラ大学医学部の創立 ５００周年の記念行事が行われます。コナン・ドイルが幼なじみで お雇い外人の土木技師ウィリアム・バートン（バルトン）帝国大学 教授と幼少時代を過ごしたリバトンバンク・ハウス、そしてドイル 少年に思想的に大きな影響を与えたメアリー・バートンが女性初の 理事を務めたヘリオット・ワット大学、いずれもエジンバラ市内に あります。