| シャーロッキアンの果てしなき冒険 by 水野 雅士 |
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| １．ホームズ物語に出てくる主な繊維製品 １）毛織物：動物の毛（主として羊毛）を紡いだ糸で織った織物 （6）フラノ、フランネル（flannel） |
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| 登場する事件名 《踊る人形》《六つのナポレオン》 |
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| 本来は紡毛糸（ぼうもうし）で粗く織り、仕上げ工程で起毛（きもう＝ケバ立て）した薄手の毛織物で、生産の本場は英国のウェールズで、ウェルシュ・フランネルとして知られたものでありますが、現在では羊毛と木綿の混紡や、絹との混紡、純綿製、化繊製などさまざまなものがフランネルとして生産されています。織り方も平（ひら）織りにかぎらず、綾（あや）織りもあり、仕上げ加工における起毛の程度にもいろいろの段階があり、色柄も、白地から各種の色無地、縞柄、霜降りなどヴァラエティに富んでいますが、いずれも柔らかく、弾力があり、保温性が高いことがフランネルの特徴で、シャツ地、下着類などから服地にいたるまで広い用途があります。とくに服地として使われるしっかりした生地のものは、わが国ではフラノ地と呼ばれています。《踊る人形》（p154）の大団円で、ホームズに呼び出されて、ノーフォーク州のリドリング・ソープ館へ現われたエイブ・スレイニという男は灰色の「フラノのスーツ」にパナマ帽という姿でした。また《六つのナポレオン》（p285）でレストレイド警部から連絡を受けたホームズは、ケンジントンのピット街にある殺人事件の現場へ急行し、その家の主であるホレス・ハーカ氏から話を聞きましたが、そのときハーカ氏はフランネルの部屋着を着ていました。 |
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