シャーロック・ホームズQ&A

質問











 私の疑問は、フランシス・カーファクス姫の失踪で、 「何だってまた、だるくなるうえに高価なトルコ風呂なんかへいったんだ? イギリスふうのにすれば、からだが引きしまって元気がでるのに!」 といっていたホームズが、「高名な依頼人」では、 「ホームズも私も、トルコ風呂ときたら目のないほうだった。」と、トルコ風呂好きに変わってしまっているのはなぜだろう?ということです。

 ベアリング・グールドによれば、両事件とも同じ年に起こっているはずなのですが、たった数ヶ月でトルコ風呂好きになってしまったというのは、ワトソンに連れられていったら、あんまりにも気持ちよかったということかななどと想像してしまいます。

注釈付きホームズや研究所をお持ちの方で、何かこの辺の説明を読んだことがある方があれば、是非ご紹介ください。 (Tomo)
答1





































Tomoさま

ベアリング・グールドは
《フランシス・カーファクス姫の失踪》1902年7月1日
《高名な依頼人》1902年9月3日

としています。

これではホームズが《カーファックス姫の失踪》では「ワトスンお気に入りのトルコ風呂をけなしている」と《高名な依頼人》での「二人ともトルコ風呂に目がなかった」と言うワトスンの記述の間がわずか三ヶ月です。

このホームズの変化やトルコ風呂についての説明はベアリング・グールドはしていません。(年代学では説明できない事はスルーするのが「奥の手」です)

《カーファックス姫の失踪》で判るのはカーファックスと行動を共にしていた人物が「1889年にケンカで耳をひどく噛まれた」と言う記述だけなのです。
つまり1889年以降なら何時でも《カーファックス姫の失踪》事件が発生したとして良いと言うことなのです。
(ワトスンが余り若いとリューマチ気味だと言う説明があわなくなりますが・・・)

他の年代学者はどうなのか言うと聖典の中ではっきりと発生年月日が記されている《高名な依頼人》は1902年9月3日に発生した、が多いですが《カーファックス姫の失踪》の発生年月日は年代学者によって1895年〜1903年の間と言うかなりのばらつきがあります。

ホームズのトルコ風呂に関する見解を考えるとベアリング・グールド説は支持できないな、と私は思います。

ここ↓にホームズの隠退前の年表を載せてあります。
http://www5.ocn.ne.jp/~shworld/nenndai/nendai_3.html

この年表の記述にフォルソムとホールは10月3日に発生した、としています。
《高名な依頼人》に1902年9月3日と記してあるのになぜ10月としたかと言うと、、、
「曜日」が合わないからだそうです・・・・
ベアリング・グールドも他の年代学者も説明にかなり苦労しているのが判る事件です(^_^;;
(みっちょん)

答2














[別解釈其の一]

「食べず嫌い」だったのが、一度食べたら、病み付きになった、、、というのは、洋の東西を問わないのでは?
(例:鮒寿司、匂いの強いチーズ)

ワトソンに無理やり連れられて、行ってみたらば、ホームズ先生もトルコ式お風呂にはまってしまった、、、とか。

好き嫌いが変わるのには、2ヶ月もあれば十分!

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一方で、、Baked beansを好きになるまでには、半年以上を要しましたが、、(ボクの場合)
(としちゃん)

答3

































[別解釈其の二]

ホームズがサセックスに隠退したのは1903年の秋頃ですが、隠退前のホームズとワトスンの関係
には微妙なものがあります・・・

たとえば

1903年1月に起きた《白面の兵士》、この事件はホームズが執筆しています。
この中でホームズは

「我が善良なるワトスンは当時 私を捨てて結婚していたわけだが、彼が自分勝手な行動
に出たのはわれわれの つきあいを通じてあとにもさきにも、この時だけであった。私は
ひとりぼっち だった」


《白面の兵士》は偽作では・・・・と言いたくなるようなホームズの言葉です。(///∇///)
そしてワトスンは1903年9月に起きた《這う男》で

「ホームズの電報を受けとったのは、1903年9月初旬のある日曜の夕方だった。(略)当時、 われわれの関係は奇妙なものであった。 」と、記してます。

どんな奇妙な関係だったかは《這う男》を読んで頂ければお判りになると思います。(^_^;;

《白面の兵士》と《這う男》で見え隠れするのはワトスン博士の再婚相手(再々婚相手)の存在です。
《四つの署名》で知り合って結婚したメアリ・モースタンは夫の友人であったホームズを受け入れてましたが1903年頃のワトスン夫人は夫とホームズの交友を好ましく思ってないように見えます (メアリ夫人は《最後の事件》と《空き屋の冒険》事件の間に亡くなっています)

ホームズはただ一人の親友が離れて行くのが寂しくてあまり好きでもなかったトルコ風呂ですがワトスンが大好きなので一緒に行くようにした、、、、と言う事も考えられます。(ーー;)

行けば気持ちが良いのでホームズも気に入ったのでしょうね。ミ・∀・ 彡
(みっちょん)