老骨のロンドンおろおろある記　--記憶の断片Ｂ--

２．シャーロック・ホームズ博物館　３．ベイカー街221b（ホームズとワトスンの下宿の跡）
凡例
１． 番号は冒頭の地図上の数字に対応している。
２． 抜粋のため番号には欠番があり、編集の都合上番号の順序も前後している。
３． ホームズ物語からの引用は光文社文庫版のホームズ全集（日暮雅通訳）による。
　　――の後は引用文の発言者。《 》内の表示はその引用が登場する事件名
ベイカー街の店　「Cha no Ma」の路上看板
　荷物をホテルに置いてベイカー街の日本人の店「Cha no Ma」で夕食をとる。　
２．シャーロック・ホームズ博物館
　翌朝まずはベイカー街のシャーロック・ホームズ博物館(写真左)に繰り出す。朝一番に開館を待って入ったので、人も少なく、ゆっくりと観ることができたが、帰るころには入館の順番を待つ人が列をなす状態となっていた。展示の内容は予想以上に充実しており、これまでの断片的な知識を実際に目で見て確認し、それらを統一的に把握することができた。



 　博物館で配られていたホームズの名刺


３．ベイカー街221b（ホームズとワトスンの下宿の跡）
　ホームズとワトスンが共同生活をした下宿の跡とされている場所で、ここにかつてアビィ・ナショナル社がいたころは秘書を置いて、訪れる人を案内したり、ホームズ宛に世界中から寄せられる手紙に返事を書くなど、粋な計らいがなされ、シャーロッキアンの聖地としての趣きがあったが、近年マンションに建て替えられてからは、訪れる人もあまりない模様。聖地は20メートルほど北にある前項のシャーロック・ホームズ博物館に移った感がある。番地表示も写真に見るように、221b ならぬ219が掲げられていた。

　一八八八年三月二十日のことだったが、わたしは往診の帰りに（略）たまたまベイカー街を通りかかった。（略）あの下宿の玄関にさしかかると、またホームズに会ってあの驚異的な能力をどんなふうに使っているのか知りたくてたまらなくなった。
――ワトスン《ボヘミアの醜聞》


６．マダム・タッソー（蝋人形）館
　せっかくの機会だからベイカー街駅の並びにあるマダム・タッソー（蝋人形）館を覗いてみる。ウィークデーの午前中というのにお上りさんや海外からの観光客で超満員。展示内容は歴史上の人物から現代のアイドルにいたるまで、きわめて多彩で楽しめた。昨年封切られた映画「シャーロック・ホームズ」のホームズ役ロバート・ダウニーJr.(写真右)がその肉体美を見せていたのはさすが.....
　びっくりさせやがる！　マダム・タッソーでも、こりゃかなわねえな。あいつ（ホームズ）に生き写しじゃねえですか、ガウンから何から。――サム・マートン《マザリンの宝石》