Ｔ：「な、なにもそんなに驚かなくても……」

み：「で、でもですね。これまであんなに長い間原稿空手形を続いておいて、漸く来たら今度は忽ち号外、なんて。
　　　 これが驚かずにいられようか、いや、いられない」（なにせ空白期間が約７年ですから、ホームズの失踪期間だって3年です！！困惑するも当然、、）

Ｔ：「身から出た錆び、なのは幾重にも承知して居りますので、どうか落ち着いて……」

み：「もう一度『信じられません、全く信じられません』と映画『ゴジラ』の名科白」

Ｔ：「ひいいいい」（悶絶）

み：「ああ、吃驚した、で、一体なんですか」（不審げ）

Ｔ：「まずは張り付けた写真をご覧ください」

み：「やあ、こ、これは……」

Ｔ：「以前バッド与太話の際に、ご紹介したウェブ・サイトのリンクが外れて、ご覧いただけなかったジョージ・ターナヴィン・バッドの
　　　 お墓の写真、でありますね」

み：「一体どこから見つけ出してきたんですか」

Ｔ：「これは昨年(2021年)５月7日から30日まで開催された、プリマスの歴史フェスティバルのウェブ・サイトからですね」

み：「でもそれならサイトのアドレスだけ張り付ければ良いのでは」

Ｔ：「いやあ、期間限定で前の様にリンクがなくなって仕舞っては、と思いまして。とりあえず写真を張り付けました。因みにアドレスはこちら」

み：「あ、案の定英語がびっしりと。何が書いてあるんですか」

Ｔ：「まず、以前にもお話した様に、バッド君のお墓はプリマスのフォード・パーク墓地にあります」

み：「ふむふむ」

Ｔ：「で、バッドが『スターク・マンローの手紙』でカリングワースの変名で登場する事、非常に風変わりな方法で、
　　 プリマスで開業した、とありますね」

み：「まあその辺りなら、シャーロッキアンなら周知の所ですね」

Ｔ：「その他、大体すでに知られている様な記述がありまして。後にバッドは猜疑心に駆られてーこれはドイルの
　　　 おっかあからの手紙を盗み見て、ですが」

み：「ほうほう」

Ｔ：「ドイルが自分に毒を盛るのではないか、と疑って食事の際には毎回、食べ物の乗った皿を全部毒が入っていないか、
　　　 テストをしたそうです」

み：「その辺りはＫさんが紹介していましたね」

Ｔ：「で、バッドのカミサンの名前はケイトといったそうで、息子がいたが生後５日で亡くなり」

み：「それは前に紹介されていましたね」

Ｔ：「この息子の名前がウィリアム、というのはわたくし今回初めて知りました」

み：「おや、そんな事が出ていますか」

Ｔ：「あとは墓碑銘で、バッド君の生没年月日が確かめられた、という点でしょうか」

み：「なるほどねえ」（ちょっと感心）

Ｔ：「と云う訳で、原稿執筆時には良く分からなかった事も、継続して調べてはいますので、何卒ご理解頂ければ、と」

み：「と言っても、原稿が来なければ本当に継続して調べているかどうか、わからないよなあ……」（疑惑）

Ｔ：「あうあうあうあう」（顔面蒼白）

み：「ですから空手形を切らないで、ちゃんと原稿を御願いしますね」

Ｔ：「は、はい。ではもう一枚、前に紹介し損なった写真を」

み：「やあ、これは……」

Ｔ：「何時飾ったのは不明ですが、プリマス市がエリオット・テラスNo.6に張り付けたプラークですね」

み：「エリオット・テラスって……」

T：「このプラークの紹介記事によりますと、コナン・ドイルがバッドの診療所で働いていた当時に住んでいた所、だそうです」

み：「ふうむ。とりあえずそういう理由付けで張り付けたんですね。なるほどねえ」（感心）

Ｔ：「また追加事項で分かった事があったら、号外でお知らせしたいと思います」

み：「ジレットの続きも忘れないで下さいね」

Ｔ：「は、はい……」