The croxley master_1 　　　　　　　　　　　　　クロックスリーの王者１　(ストランド誌1899年10月号掲載) 　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　コナン・ドイル著　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 1 2 3 4 　　 　 　 5 6 7 　 (画像をクリックすると大きな画像が出ます。挿絵のキャプションとあらすじは「翔泳社　ドイル傑作選１　クロックスリーの王者　富塚由美訳を参考にさせていただいています) (あらすじ　アマデウソ）　 　ロバート･モンゴメリーはアルバイトをしているオールドエイカー博士の病院の診察室で頭を抱えていました。もうすぐ冬の学期がはじまり、あと１学期大学へ通わなければ医学士の学位を取得出来ないのに、授業料の６０ポンドを払うお金がないのです。博士に授業料を貸して欲しいと頼みましたが、すげなく断られてしまいました(挿絵2）悶々とした気持ちで調剤の作業に取り掛かっていると、診察室の入り口で一人の男が彼にむかって、はやく自分の家内の為の薬を作れと横柄な態度でいってきました。あまりにも傲慢な態度に、カチンときたモンゴメリー青年はその男を殴り飛ばしてしまいました。男は気絶してしまったようでした(挿絵3)、意識を取り戻した男は北部の人間らしく殴られた事を根に持ってないようで、そのまま薬をもらうと行ってしまいました。その日の午後モンゴメリー青年の元へ３人の訪問客がやってきました。３人は口々に彼のたくましい体格について批評をはじめました(挿絵4） 　わけを尋ねると、彼が先ほど診察室でノックアウトした男はテット･バートンといいボクシングで名の知られており、今度の試合でサイラス・クラッグズ―――「クロックスリーの王者」と闘う予定だったのですが、今朝のモンゴメリー青年に殴られた際に出来た怪我のせいで出られなくなってしまったのです。彼に賭けていた３人は、バートンを倒したモンゴメリー青年に代わりに試合に出て欲しいという依頼に来たのでした。 　試合に勝てば１００ポンド賞金がもらえるというのです！１００ポンドあれば学費が払える―――モンゴメリー青年はこの申し出を承諾しました(挿絵5) 　大学ではボクシングの基礎をみっちりやった彼でしたが、情報収集のため情報通のタバコ屋の主に「クロックスリーの王者」について聞いてみました。すると彼は新聞を取り出し見せてくれました(挿絵6） 　それには、王者は不慮の事故で足にハンディキャップを抱えていましたが、現役を退いた４０歳の今でもかつての闘志は失せてはいないとのことでした。敵の情報を仕入れたあとは練習あるのみ。忙しい仕事の合間をぬってトレーニングをこなしました(挿絵7) 　試合前日の金曜日、最後の仕上げをしていると一人の少年がジムに入ってきたのでテッド・バートンはいきなり少年の襟首をつかみました（挿絵１）