グラナダ・テレビ版　第13話　「最後の事件」　あらすじ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　by　アマデウソ 　下町らしき雑然とした道を歩くホームズ。突然後ろから失踪する馬車が彼を襲ってきます。そこから逃れたと思ったら、今度は上から銅像が降ってきて、ホームズの頭上へ落下！寸前になんとかよけ切ることができました。落とした相手を探そうと建物に入ると2人のごろつきが突然襲いかかってきます。明らかにホームズの命を何者かが狙い、その手段を選ばなくなってきているという証拠でした。 　場面は変わり221b。 　1891年、ワトスンは短い旅行から戻ってきました。その頃ホームズはフランス政府の依頼を受けて仕事中でずっと不在でした。ハドスンさんの話では、朝食の時にはいて、そしてその後、いやな感じのする年配の紳士がやってきたとのこと。少々心配になったワトスンは、窓から通りを眺めましたが、取り立てて変化は感じられませんでした。が、突然コンコンと窓を叩く音が聞こえます。どうやら裏庭に面したホームズの部屋からのようです。火掻き棒を携えていくと、そこにいたのはボロボロになったホームズでした。裏窓から入ってきたホームズは、なにやら通り沿いの窓を気にしています。そしてブラインドを下ろすようにワトスンに頼みました。そしてホームズは、最近命を狙われていることを告白します。何故こんなことになったのか？ 　あらましはこうでした。 　今年の初めホームズはフランス政府の依頼で、ルーブル美術館に招かれました。あのモナリザが盗難されたのです。現場に発見された指紋から、前科のあるスペイン人のメンドーサが浮かび上がりました。犯人が見つかったと館長と大臣は大喜びでしたが、ホームズは背後に大物がいることを伝えます。有名すぎて盗んでも売れないものを何故盗んだか？ホームズは、コピーを原画と称して莫大な値で売る計画があること暴露します。そしてメンドーサを泳がせて黒幕を確保すること、それには盗難を公表することを勧めるのです。公表はクビにつながると慌てる館長ですが、ホームズは一言「大臣と館長のご迅速で、逮捕間近だと一味を煽るのです」。そして慌てたメンドーサはその黒幕へ早くモナリザを渡すべく動きます。黒幕の名前はモリアーティ教授。逮捕劇が行われている、ちょうどその頃教授はとある金持ちに偽のモナリザをすすめているところでした。が、そこへ知らせが入り、計画が水の泡に帰したことを知るのです。そしてすべてホームズのせいであるということを。一方ホームズはフランス政府から勲章をもらいます。 　意気揚々と英国に戻ってきたホームズはモリアーティ教授の突然の訪問を受けます。教授は金貨の件「赤髪連盟」などホームズに阻止された仕事を数え上げ、、命が惜しければ手を引と警告をしたのです。しかしホームズは拒否します「あなたを殺せるなら、僕は公共の利益のために死のう」実はホームズは以前からこのとこを追及して、犯罪の何割か影にモリアーティ教授がかかわっており、彼が逮捕されれば40もの未解決事件が解決するだろうとワトスンに断言します。しかし裁判がはじまるまで、今日のように教授の部下たちがホームズの命を狙って来るでしょう。そこでホームズはワトスンに、大陸へ逃亡するので付き合ってくれと頼みます。 ワトスンは快く了解しますが、ホームズはそろそろ出て行くといいます。ここにいるとワトスンまでも狙われるので、今夜は兄マイクロフトのところへ泊まって、明日落ち合おうと。 　荷物は名前を書かず今夜中に駅へ運び、ラウザー・アーケードへ行って行き先を書いた紙を御者にわたすこと、馬車が止まったとたんアーケードを駆け抜け、きっかり9時15分に向こう側に出る。小型の４輪馬車で御者は赤襟に黒いコートを着ている。それにのれば大陸急行に乗れる･･･ 　翌朝、ワトスンは何とかホームズの言いつけを守り、大陸特急に間に合いました。しかし、コンパートメントにはイタリア人の神父が一人いるだけでホームズがいません。列車は助走し始めワトスンはあせって、ホームの人ごみの中からホームズを探そうとします。 が突然後ろから「ワトスン！挨拶もなしかい？」との声が！なんと神父はホームズの変装だったのです。列車が出発をした、と同時にモリアーティ教授は部下を連れてホームに駆け上がりましたが、間一髪教授はホームズを取り逃がしたのでした。 　コンパートメントではワトスンが、このまま連絡船に乗れば、追跡はまけると楽天的なことをいいますが、ホームズは自分なら特別列車を仕立てる。カンタベリーで追いつかれるといいます。そこでカンタベリーでいったん下車して、教授たちをやり過ごすこと。ホームで時刻表を眺めていると、全速力でやってくる列車の煙が見えてきました。二人は慌てて荷物の影に隠れます。ワトスンには、一両編成の特別列車の窓から身を乗り出す老人をちらりと見えました。教授をやりすごした二人は、のんびりとスイスに向かうことにしました。 　スイスに着いたホームズとワトスンは、途中落石にあいながらもホテルに到着しました。しかし、そこで受けたマイクロフトからの電報には「一味は逮捕、教授のみ逃亡」ホームズは危険になったので、ワトスンに帰るように施しますが、当然のことながワトスンは断ります。スイスの山々のすばらしい景色を堪能しつつ、しかし教授がどこからか狙ってくるのがわからず落ち着かない旅はつづきます。そして最後マイリンゲン村の「イギリス館」へ到着しました。宿の主人は、観光としてライヘンバッハの滝を勧めてくれ、早速二人で行ってみることにしました。 　滝は雪解けのせいで水量が増え、轟音を立てて流れ落ちています。すると、一人の若者がやってきてワトスンに宿の主人からの手紙を渡します。「英国人の女性が喀血して医者が必要だと」ワトスンはホームズを残して、宿に向かいました。しかし、到着してみると宿にはそんな女性はおらず、宿の主人も手紙は渡していないことが判明。そのことを知ったワトスンは、慌ててもと来た道を帰ります。 　しかし、滝にはホームズの姿はどこにもなく、シガレットケースが残されているだけでした。そこに手紙はさまれていました。「ワトスン君　教授の好意でこれを書き残す。彼は最後の話し合いをしようと待っている。社会から彼の害悪を取り除けて僕は満足だが、代償に友人に苦痛を与えるのがつらい。特にワトスン君。君にはすまない。承知の通り、僕の仕事は死に直面していた。これ以上僕らしい大詰めはない。実はすべてを打ち明けるが、あの手紙は偽と分かっていた。僕の財産は出発前に整理し兄に預けてきた。さようなら君の真実の友　シャーロック･ホームズ。」 　この手紙を残して、我らが友シャーロック･ホームズは、宿敵モリアーティ教授と共に、ライヘンバッハの滝つぼへを姿を消したのでした。