シャーロッキアンの間で長年議論されているホームズの出身大学はケンブリッジかオックスフォードかという問題があります。《スリー・クォーターの失踪》で、ホームズとワトスンはケンブリッジへ行くのにキングズ・クロス駅から列車に乗っていますが、これは不便な乗り方であって、このことがホームズもワトスンもケンブリッジ出身ではなさそうだという根拠に使われています。しかしその一方でこういう見解もあります。「シャーロック・ホームズの鉄道学」によれば「《スリー・クォーターの失踪》ではホームズがストランドの電信局で事件解決のヒントをつかむやいなや、すぐさま外へとびだし、辻馬車を呼び止め『キングズ・クロス駅へ』と言った。急いでケンブリッジへ行く必要がおきていたのである。当時、ロンドンからケンブリッジへの列車は、聖(セント）パンクラス駅、キングズ・クロス駅、リヴァープール街駅からそれぞれ発車していた。（略）一刻も早くケンブリッジへ行くため、即座にどの駅へ駆けつけるかを決めるためには、発車時刻だけではなく、ケンブリッジの到着時刻も知っておかなければならない。ホームズの時刻表の知識には舌をまく」と述べられています。
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参考資料「イギリス=鉄道旅物語」（原口隆行・文 三浦幹男／三浦一幹／原口隆行・写真） |
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