電話について
ふうのちいさな部屋で、テーブルの上には大きな
帳簿がのっかっていて、壁には電話機がとりつけ
てあった。
『ギリシア語通訳』……………｢ギリシア女性についてお知らせ下さる
方にも同じく謝礼を差し上げます。Ｘ2473」
↑
(この番号が電話番号かどうかは不明と長沼氏は記してます)
『三人ガリデブ』……………「ちょっと彼に電話を頼むよ、ワトスン」
私が電話を入ると電話線の向こうから、か細いふるえ声
が帰ってきた。
『有名な依頼人』……………「将軍からお待ちしているという電話が
あったし」(ホームズ）
『白面の兵士』……………「郡警察に電話をかけて、警官を二人よこせ
と警部に言うんだ」(エムズワース大佐）
『退職した絵具屋』……………小さな宿屋「レイルウェイ・アームズ」に
電話があったので、それでホームズに連絡をとった。
（引用文章は東京図書刊B・G解説と注付きシャーロック･ホームズ全集から）
長沼氏は「世界」の電話の項で言及されていませんが「有名な依頼人」の
中でデマリー大佐が個人用の電話番号を「XXの31」と言っています。
又、『四つの署名』でもホームズの部屋で「念のために、あとで向かいまで
行って電話しておきましょう」とアセルニー・ジョーンズ刑事が言ってます。
ベイカー街に電話
がついてのは何時頃なんでしょうね。
また、長沼氏は余談として次のように記してます。
「(電話を発明したアレキサンダー・グレアム）ベル博士は、もともと
スコットランドの生まれ、24歳のときアメリカにわたり、29歳の時磁石
式電話器を発明したが、この頃は、まだイギリス国籍であった（35歳の
時アメリカに帰化）イギリス人であった間に、ホームズに恩恵を与える
素地を作ったのは、せめての慰めであったというところか」
上記の文章はアメリカとイギリスのシャーロキアンの間の微妙な論争に
ついての感想のようです。
(記 管理人みっちょん）
