索引をつくっていた大きなスクラップ・ブックに戻った。
(2)「問題の間借人は十日前にやって来て、あなた(ウォレン夫人)に二週間分の食費と部屋代
を払ったのでしたね？」(ホームズ）
(3)「何かの跡、指紋が付いてしまって、自分の正体が割れてはいけない、とそう思ったの
だろう」(ホームズ）
(4)「当然の捜査法があるよ」彼(ホームズ）はそう言って、日々ロンドンの各新聞の私事広
告欄を丹念にファイルした大きな帳簿をおろした。「ウォレンのかみさんところの店子
が来て二日目のものだ（略）あったぞーー三日後だ。（略）その後１週間は何もない。
（略）これは昨日のだ。そして今日のにはないね」
(5)翌朝、私が目にした我が友は、暖炉の敷物の上に立ち、（略）微笑を浮かべていたか
らである。
(6)テーブルの上の新聞を手に取ると、彼(ホームズ）は大声で言った。
(7)私は浅黒い美しい顔がおびえたように、納戸の狭い入口を見つめたのをちらりと垣間
見た。（略）われわれがウォレン夫人宅に帰り着いた頃には、冬のロンドンの宵やみ
がすっかり迫って（略）
(8)「ところで、まだ八時になっていないが、今夜はコヴェント・ガーデンでワグナーが
あるんだ！急げば、何とか第２幕に間に合うぜ」(ホームズ）
