事件の一つを形づくるあれこれの事実を公表してよいという許しが得られた。
(2)ホームズの電報を受けとったのは、1903年9月初旬のある日曜の夕方だった。（略）当時、
われわれの関係は奇妙なものであった。
(3)「日付はいつですかーー？」(ホームズ）（略）「おとといの夜ーーということは、9月4日
の夜のことです」(ベネット）
(4)新しい客はよくあるタイプの、明るい聡明そうな英国女性であった（略）「昨夜のことなの
ですが、父は一日中、本当に妙な感じでした。（略）父はたしかに登ってきたんですもの」
(ミス・プレスベリー)「こいつの日付けが9月5日」とホームズが言った。
(5)「ベネットさん、明日、ケンフォードでお会いすることになりますよ（略）」(ホームズ）
月曜日の朝かくてわれわれは有名な大学町への途上にあった。この旅は、言わば根なし草
のホームズにとって大したことではなかったわけだが、この当時までには自分の医者稼業
の方でひとかどのものになっていた私の方はいろいろ段取りが大変で目の回る忙しさで
あった。
(6)「騒ぎは7月2日にまず起こって、その後は9日ごとということのようだ。（略）金曜日に起
きた最近の発作は9月3日だがこれも9日ごとというのにぴったり当てはまる。その一回前
のは8月26日だからこれもぴったり当てはまる」(ホームズ)
(創元推理文庫・深町眞理子訳 訳者訂正 9月4日の金曜日だが、これまた、その周期に
あてはまる）
(7)翌朝、ベネット氏がこっそり抜け出して来て、最も新しい情報を話してくれた」
(8)「(ベネットさん）次の火曜のこの時間に再びここで落ち合う、ということでどうでしょう
か？」(ホームズ）
(9)月曜日の夕方、(ホームズから）短い手紙が来て、翌日汽車で落ち合う、ということであった。
(10)ケンフォードに向かう途すがらに彼が話してくれたところでは、万事順調で（略）
(11)「もし9日周期という見当が当たっているとすると、今夜教授はおかしくなるはずなのだ」
(ホームズ）
