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戻ってきた帽子 クロウバラのドイル像 |
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| ２００１年８月９日（金） |
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| 起きてみると晴天だった。今日こそ、用事が終わり次第、クロウバラへ行こうと心に決める。上着のポケットには Prof Moriarty から送られてきた、いぷさんの「クロウバラのドイル像の災難」（当ホームページよりダウンロードされたもの）を、リュックサックには一眼レフカメラを入れて滞在先を出発。この時、夕方の天気が予測できたなら、間違いなくクロウバラ行きを取りやめていたのだが・・・ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ |
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| ここでクロウバラのドイル像へ行く道筋を紹介してみたい。いぷさんのレポートにもあるように、ロンドンはチャリング・クロス( Charing Cross )駅よりヘイスティングス ( Heistings )行きの列車に乗る。平日・土曜なら１時間に２本、日曜なら１時間に１本の割合で走っている。トンブリッジ( Tonbridge )駅を経由してタンブリッジ・ウエルズ( Tunbridge Wells )駅で下車。所要時間は約50分。改札口とは反対側のホームから外にでて、大通りを渡ったところにあるバス停で、クロウバラへ行くバスを待とう。228・229・729 番のバスに乗ればよいはずだ（乗車時には運転手に確認を！）。 バスは通常30分に1本の割合で来るはずだが、道路交通事情等で当てにならない場合も多い。ちなみにリターン･チケット（往復割引切符）は3ポンド60ペンス（こちらも確認を）だった。 |
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| タンブリッジ・ウエルズからクロウバラまでは約30分。クロウバラ・クロス( Crowborough Cross )で下車したら、バスの進行方向に沿って歩く。十字路まで来たら右手前方を見よう。そこにドイル像が立っている。しかし像を発見したからと言って、我を忘れて走り寄ってはいけない。クロウバラ・クロスは道幅の割に交通量が多いのだ。2回信号を待って横断歩道を渡り、少し冷静になったところでドイル像と対面しよう。 |  |
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＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 帰りのことが気になる場合は、先に時刻表を調べておけば完璧だろう。道の反対側にタンブリッジ・ウエルズへ向かうバスの停車場があるが、そこには（8月9日の時点で）時刻表がない。十字路を左へ折れ、3分程歩く（ドイル像とは反対方向へ行く）と別の停車場があり、こちらには時刻表が用意されている。７時台が最終みたいなので、夕方訪れる際には注意が必要である。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ |
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| 私がタンブリッジ・ウエルズを出発できたのは夕方5時過ぎ。その時点で土砂降りの雨だった。 知人の制止を振り切って5時03分に来たバスに乗った。時間の経過と共にバスはタンブリッジ・ウエルズから遠ざかり、標識も見知らぬ名前ばかりになっていく。雨脚は衰えない。一体何の為にこんな夕暮れ時の土砂降りの中、私は一人旅を決行しているのだろうか・・・と自問することは数知れず。地図も持っていない。頼りになるのはいぷさんのレポートだけ。無謀だ。何かに取り憑かれていたとしか思えない。約30分後、バスはクロウバラ・クロスに到着した。ドイル像と対面する。すると。おや、ドイル氏は帽子を握っている。肩にペンキもついていない。幻覚を疑い像を一周してみたが、何も変わらない。 |
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| 7月19日から8月9日の間に、ドイル氏は帽子を取り戻し、肩のペンキも拭い落としていたのだった！ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ |
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| 雨脚が弱まったのを見計らって、写真を撮る。ここへ再び来ることはないかもしれない、などというセンチメンタルな思いが脳裏をよぎる。撮り終えたら憑き物が落ち、自分の現状を認識する理性が戻ってきた。すでに6時を過ぎていた。再び雨脚が増し、あたりは暗くなり、スーパーが閉店し、通りかかる人も途絶えた。車の列だけが目の前を通り過ぎていく。帰りのバスを待つこと30分。その間、寒さと孤独感に苛まれた。 イギリス特有の‘予測不能な’天気の洗礼を受け、コナン・ドイル像と対面し、観光地でもないところで当てどなくバスを待つ・・・旅の記憶に残る、そんな1日だった。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ |
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| 参考写真(撮影Daisy) クロウバラ・クロスを中心にあちこち歩き回ってみましたが、十字路にあるパブの黒板にホームズのシルエットが使用されいるのみで、他にホームズ系のものは発見できませんでした。 (いぷ記 クロウバラのドイル像の災難より) |
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